主人と私が・・・

阿木燿子からのメッセージ

2004月2日2日(月) 更新

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宇崎と夫婦役です
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共演者の伊崎さんと酒井さんと
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殺されてしまうシーン…

主人と私が夫婦役で出させて頂いた映画「デビルマン」が、目出度く1月にクランクアップしました。もっとも私達の出番は去年の12月の末に終了し、二人が殺害される山場のシーンは、11月中には撮り終えていましたが。

 夫婦で夫婦役をという珍しいキャスティングに、インタビューで、やり辛くありませんでしたか、とよく尋ねられますが、まったくそんなことはありませんでした。

 私達もクランクインするまでは、多少は照れ臭いかも、などと話し合っていたのですが、撮影現場ではそれはまったくの杞憂でした。

 思えば私達は作詞家、作曲家として共にレコーディングに立ち会うことも多く、仕事場で顔を合わせるのは馴れています。またこの二,三年、主人のディナーショーにゲストとして出させてもらったりもして、同じステージを踏むこともあります。そんな時は、お互いに仕事のパートナーとして相手を認識し、家庭での立場は忘れています。

 夫婦で同じ仕事をする利点は、気心が知れていること、余計な気を遣わないで済むこと、信頼関係があることなどが挙げられると思います。

 

 それでも血ノリで体中を汚し、苦悶の表情を浮かべて死んでいる主人を見て(もちろん映画の中でですよ)あー、これが現実でなくて良かった。もし本当にこんな風に彼が殺されたら、私はどれほど嘆き悲しむことか、などと一瞬、そんなことを考えてしまいました。この辺も、夫婦で一緒に仕事をする面白さかもしれません。虚と実が入り乱れながら、ひとつのものを作り上げてゆく。その感じがとてもスリリングです。

 でも誰かに、ご主人ともう一度、共演したいですか、と尋ねられたら、大いにクエッション・マークです。だって、彼は深刻なシーンの前でも、冗談を言って笑わせるのですから。お腹を抱えて笑った後で、いきなり涙なんか流せませんよね(もともと演技力がないのにね)。もし、悲しいシーンで私の目が笑っていたら、それは相手役の主人のせい(なんて、一方的に彼に責任をなすりつけたりして)。

 ともかく私達夫婦が、映画の中で高校生の娘を持つパパとママに見えているかどうか。

 映画の公開は今秋です。乞うご期待。もしお時間が許せば、足を運んで、ぜひ映画館でご覧になって下さい。

阿木燿子